映画が終わらない

映画館の暗がりが落ち着くΩと京アニ好きのαによる与太話

アニメ

京アニ演出の見本市『無彩限のファントム・ワールド 第6話』絵コンテ:山田尚子 演出:小川太一

鏡面パターン → 現実と鏡像の境界 / 本音と建前 2016年の京都アニメーション作品『無彩限のファントムワールド』の『第6話 久瑠美とぬいぐるみ王国』から演出パターンを抽出し、その他の作品も交えながら整理してみたいと思います。 本作の絵コンテは山田尚…

弾はまだ残っているか『天気の子』

キャラクターについて 入院先は新宿のJR東京総合病院 映画は陽菜が病室で親を看病するシーンから始まります。本人より先に、窓に反射する透けた姿が映り、作中で彼女が消失することを暗示します。 都会の少女、地方の少年というのは『君の名は。』の逆 もう…

数学的帰納法で証明される境界の彼方 栗山未来・北宇治高校 吹奏楽部・京都アニメーションの「ずっと」

劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE- 公式Webより リズと青い鳥の記事を更新してから約一年以上経ってしまいましたが久々の更新です。 これまでは山田監督作品について書いてきましたが、劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンの公開も間近!という事で、ヴ…

子育て×タルコフスキー×変態性欲『未来のミライ』

オープニング α:山下達郎の曲に載せて、家族写真のスライドショーで映画が始まりました。なんだかいきなりエンディングみたいです。 樹木を白抜き、これが本作の真の主役ということですね。 自宅 建替えた自宅がかなり特徴的です。部屋が階段状に連なる平屋…

ベン図で理解する「リズと青い鳥」

「リズと青い鳥」はこれまでの山田尚子監督&吉田玲子脚本作品と同様にストーリーやキャラクターの心情をレイアウト・仕草・背景・音楽等々の演出を論理的に積み上げる事で繊細な感情を伝えようとする京都アニメーションらしい作品です。秘められたメッセー…

映画「聲の形」から読み解く!山田尚子監督の演出意図

将也と硝子がはじめて触れ合うカット 山田尚子監督作品をはじめ京都アニメーションの作品は何気ないカットの積み重ねにより、キャラクターの気持ちや行動原理を説明している事が多いです。楽(らく)しようとすれば、説明セリフや文字で説明してしまいそうで…

映画「聲の形」から読み解く!京都アニメーションのデザインパターン

春から秋へ、時間の経過を表現する秋の花「コスモス」 山田尚子監督作品をはじめ京都アニメーションの作品は、セリフには出てこない「象徴的な映像」により、ストーリーやキャラクターの心情の説明が多くなされています。分かりやすく例をあげると、雨が降っ…

童貞への郷愁『君の名は。』『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』

君の名は。 男女入れ替わり と おっぱい 乳首は0回 冒頭は作中の事件が一通り終わった、エンディングの直前から始まりますね。瀧君は就活中、三葉ちゃんも東京在中です。 まず入れ替わって胸を揉むんですが、なんで胸は映さないんですかね。男女入れ替わり…